11月25日
7時起床。
昨日は11時就寝。
またまた夜中の1時に目を覚ましそれから中々寝つけなかった。
いつもの食堂に行くと、テカテカオヤジと少しテカテカオヤジの二人が勢揃いしていた。
テカテカオヤジに「元気か?」と聞かれて、元気じゃないけど「元気だよ」って答えた。
ちょっとでも元気じゃないんだなんて言ったら、「どうしたんだ?何があったんだ?」って質問攻めにあって、クロワッサンどころじゃなくなる。
だから「元気だよ」って答えた。
テカテカオヤジは私の「元気だよ」っていうのを聞いて安心したのか、フロントへと戻って行った。

今日はあの有名なシャンゼリゼ通りへと繰り出す事にした。
メトロに乗る時の独り言「大丈夫、怖くない、大丈夫」を連発しながら乗車する。
車内で大道芸人のコンサートが始まった。
私の目の前で演奏してくれたので私の席は特等席になった。
その為チップも奮発しなくちゃならなくなった。
上手なのかまぁまぁなのかヘタなのかわからない。
車内で演奏する為、エコーがかかってきれいには聞こえるけど、どうなんだろう。
演奏が終わりチップを要求してきた。
ここで「君の演奏はすばらしかったよ」って握手を求め、10ユーロぐらい手渡すところだが、そんなお金持っちゃいねえよ。
特等席で聞くだけ聞いて、完全無視を決め込んだ。
朝からコンサートも聞け、気持ちもちょっと晴れやかになってきた。
メトロから地上に出るが、ここはどこ状態である。
また迷ったよ。
地上に出る前に出口をちゃんと確認したのに。
誰も人がいないじゃないか。
雨も降ってきて、もう最悪。
コンサートを聞いてせっかく気持ちが晴れやかになって来たとこだったのに。
大通りらしきものが見えてきたので、そっちの方に歩いていく。
大通りだけど、これがあのシャンゼリゼ通りか?
こんな感じだったかなと思い出そうとしたけど、13年前の記憶なんてあてにならない。
これがあの有名なシャンゼリゼ通りか、なんか古びてるなぐらいしか憶えていない。
歩道ももっと汚かったように思うし。
大通りから向うの方を見てみた。
おー凱旋門だ。
やっぱりここがシャンゼリゼ通りなんだ。

彼方向うの凱旋門の端っこだけを見て、時間がないので急いでお目当てのお店に向う。
ここで文具を大量購入。
店内の端から端まで目を通す。
面白いものは意外な所にあるので、普段見ない所まで真剣に見て周る。
工具売場で面白いピンチを発見。
何に使えるかは買ってから考えよう。
普通の物でもパッケージがかわいかったりすると、ついつい買ってしまう。
何に使うねんっていう物もあるけど、雑貨ってそんな所が面白いんじゃない。
だから買い付けってやめられないんだよね。
温度計発見。
温度計はウチでは売れ筋商品なので必ず売れる。
面白いハンガーを発見。
でも、肩幅が狭い。
あー惜しい、めちゃくちゃかわいいのに。
どうして肩幅狭いかな。
ランドリーバッグを発見。
ザクザク面白い物を発見していく。
荷物が多くなってきたのでここで一旦ホテルに帰ろう。
お店の玄関に立っているガードマンの横で荷物をリュックに入れかえる。
大きいお店の玄関には必ずといっていいほど、強持ての黒人のガードマンが立っている。
私は必ずこのガードマンの横で荷物を入れ替えたり、道を尋ねたりしていた。
こんな強持てのガードマンが横にいちゃ、引ったくりもスリも置き引きもできないだろ。
だから私はいつもこのガードマンにピッタリはりついて荷物の入れ替え作業をしたのさ。

ホテルに戻り、荷物を置く。
朝行ったお店がホテルの近くにもある事を発見する。
そこにもいく事にした。
お店に行く途中で超安売りのスーパーがあったので覗く。
安いけど、面白い物がない。
フランス語で道を尋ねられた。
わー、ひょっとしてフランス人と間違えられた?
そんな事絶対ありえない、こんな薄い顔したフランス人なんかいないよ。
チェッ。
朝行った同系列のお店に到着。
わざわざ道に迷いながらシャンゼリゼ通りまで行ったのに、こっちの方が品揃えがいい。
地下が食料品売場になっているので、今日の昼食をここで調達する。
何にしようか考えたが、この間買ったワッフルも残ってるし。
サラダにするか、果物を買おうかどうしようか迷った。
果物が美味しそう、単純、果物を買う事にした。
小さいオレンジを3個選ぶ。
グラム売りなので、自分でグラムを計り、値段のシールを貼ってレジに持っていかなきゃいけない。
計り方はわかるんだけど、このオレンジがなんていう名前かわからない。
店員の兄ちゃんに「これ、なんていう名前?」って聞いてみた。
お兄ちゃんは「クレモンティ」って教えてくれた。
「クレモンティ、クレモンティ」って忘れないように、何度も復唱する。
計りの所に行くとオレンジの絵が3つ書いてある。
全部クレモンティ やんか。
なんとかクレモンティ、クレモンティなんとか、ってどのクレモンティかわからない。
タイミングよく、お姉ちゃんが計りに来た。
お姉ちゃんに「どのクレモンティかわかる? 」って尋ねたが、お姉ちゃんはわからないって言う。
なんでわかれへんねん、お姉ちゃん現地人だろ。
ここで助っ人フランス人登場。
フランス人のお兄ちゃんがこのクレモンティだよってボタンを押してくれた。
するとシールが出てきて、このシールを貼ってレジに持って行けばいいんだって教えてくれた。
ありがとう、お兄ちゃん、なんて親切な人なんだ。
ホテルに帰り、オレンジとワッフルを食べる。
昼からは先日の続きのパッサージュ巡りへと繰り出す。
パリでいちばんの繁華街へと行く為、メトロは結構込んでいる。
乗り換えする時、乗り換えの路線に行くまでの通路に人がいない時は、ダッシュしたり、大きな独り言を言ったりして危険を回避してきた。
これっておかしな行為だったのかな。
独り言やダッシュしている人のほうがよっぽど怪しいよな、だから人が近づいてこなかったのかも。
地上に出る時に迷わないように念入りに地図を調べる。
地上に出る。
やっぱり、ここはどこ状態だ。
私は方位がわからないんだ。
方位磁石持ってくりゃよかったと後悔する。
多分こっちだろうという感で歩いていくと、あったよ、パッサージュが。
お昼も随分過ぎてるので、開店もしてるし。

おとぎの部屋ってこんな感じなんだろうなっていうようなお店を発見。
凄いメルヘン。
私もこんな部屋で生まれ育ってたら、乱暴者にはなってなかったと思うよ。
ウィンドウのディスプレイもクリスマス一色だ。

うぉー、この人形リアル過ぎて怖い。
怖すぎて、思わずシャッターを押す。↓

むかいのお店で美味しそうなケーキを発見。
うゎー食べたい、ほっぺが落ちそうとはこの事だ。
まともな物を食べていないので、買いそうになるが、諦める。
フランスは食事代が高すぎる。
食通?の私としては、あれも食べたい、これも食べたいという所だが、独りだし、高すぎるという事で今回は節約に励んだ。
海外に行くいちばんの楽しみっていえば、食べる事なのに。
それが出来ないのは本当に辛い。
幸い、大好きなワインはフルボトルでも200円ぐらいで買えるので、ワインだけは毎日たらふく飲む。
あーこれで美味しい物でも食べれたら最高なのに。
悔しい思いをしながら、ケーキの写真を撮る。

映画関連の本やポスターを売っているお店を発見。
「アメリ、アメリ」
あった、アメリ。
分厚い本を発見。
おぉーこりゃかの有名なブルース・リーだ。
小学生の頃、兄の影響で映画を観に行ったんだ。
兄はブルース・リーになりたくて「ヌンチャク買って」って親に買ってもらってたよな。
親、何で兄にヌンチャクなんか買ってあげたんだ。
兄妹喧嘩の度に、そのヌンチャク登場してきて、私は大変な目にあっていたんだぞ。


方角を確認し、徒歩でギャラリーラファイエットに向う。
店内は人でいっぱい。
最上階から見て周ることにした。
おもちゃ売場のレジには長蛇の列。
クリスマスプレゼントを買い求めているのか、ラッピングコーナーは大賑わい。
サンタも登場して、子供と一緒に撮影大会が始まった。
人込みは苦手なので猛スピードで見て周る。
所々にミネラルウォーターのサービスがある。
フランスは乾燥しているので、喉が乾く。
タダだから、調子にのってゴクゴク呑んでいたら、お腹が痛くなってきた。
まるで子供と一緒だ。
ギャラリーラファイエットには高級ブランドがある為、日本人観光客がわんさかいる。
皆、ヴィトンだのグッチだの両手いっぱいに抱え込んでいる。
こんなにも高級ブランドが好きな人種って、日本人だけだろうな。
その大荷物のままメトロに乗ったりするのかな。
高級ブランド買うんだから、やっぱりリッチにタクシーだろう。
あの紙袋見せながらのメトロは「私お金持ってますよ。スリの方盗んで下さいね」って言ってるのと同じだよ。
私は高級ブランドとは無縁なので、大荷物をリュックに詰めかえる。
ここでプランタンのある場所を聞く。
おばちゃんは「あっちの方角にあるから、あっちの方角にいけばいいよ」って指を指して教えてくれた。

私は「あっち」をめがけて直線で進んでいく。
ちょっとでもカーブがあると道に迷ってしまうので、レジの中だろうが、行列の中だろうが、「あっち」めがけて進む。
「あっち」に進んでいるはずなのに、「こっち」の方面でいいのか途中で不安になる。
「こっち」に間違いないよ、って自分に言い聞かせ進んでいく。
あーよかった。
あった、あった、プランタン。
ここも最上階から見て周ろう。
でも品揃えはどこも同じなので、感動する物がない。
地下の下着売場でプチバトゥーを購入する事にした。
レジに持っていき、外人旅行客専用の割引チケットを見せた。
レジのお姉ちゃんは「私、英語は喋れないのよ」って。
そんなの、私は英語もフランス語も喋れないよって自慢した。
泣きそうな顔してないのに、ここでも「Don't cry」って言われた。
そんなにも私の顔って泣きそうな顔してるんだろうか。
そりゃ、薄い顔はしてるけど。
余程困っているように見えたのか、レジのお姉ちゃんはマジマジと割り引きチケットを見る。
フランス語で説明してくれたが、私にとっては宇宙人が喋っているようで、何言ってるのか全然わからない。
わからないっていう素振りをしたら、お姉ちゃんは困った様子で近くにいた上司に相談しに行った。
上司も登場して、3者会談が始まった。
上司もフランス語で説明してくれるが、私にはわからないんだってば。
「もういいや、割引してやれ」って上司がお姉ちゃんに言ったのか、上司は「ディスカウント、オッケー」
って言ってくれた。
やった、ラッキー。
でもお姉ちゃんは納得いかないのか、おばちゃんを呼びに行った。
お姉ちゃんもういいじゃないか、上司がいいって言ってんだから。
今度はお姉ちゃん、上司、おばちゃん、私の4者会談が始まった。
なんか大掛かりになってきたぞ。
3人でもめだした。
そんな割引チケットで喧嘩しなくても。
上司が「お前らうるさい、俺がディスカウントしていいって言ってんだから 、ディスカウントしてやれよ」とでも言ってんだろうか。
上司の一言で割り引きチケットは使えるようになった。
勝手に割引して、始末書なんか書くようになっても私は知らないよ。

夕食はリッチにデパ地下グルメにする事にした。
でもここの食料品売場は2階にある。
だからデパ2階グルメだ。
どれを見ても美味しそう。
リッチにマキシムのお惣菜にするか。
そう思ったのに、炒飯を買ってしまった。
どうしてフォアグラとかテリーヌとか買わなかったんだろう。
もう二度と食べる事ができないかもわかんないのに。
炒飯なんか日本に帰ってからいくらでも食べれるのに、なんて私はバカなんだ。
大荷物抱えてメトロは危険だ私もリッチにタクシーで帰ろう。

流しのタクシーはダメなので、大通りに出てタクシー乗り場からタクシーに乗る。
運ちゃんはアジア人だ。
同じアジア人なんだからこの運ちゃんは大丈夫だろ。
メーターも異常なし。
無事ホテルに到着。
早速デパ2階グルメで買った炒飯を食べる。
まっずぅー。
こんなまずい炒飯食べたことない、一口食べて終わりにする。
やっぱり、フォアグラかテリーヌにすればよかった。


本日の買い付け歩数:17603歩